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内視鏡で見る大腸の病気写真

内視鏡で見る大腸の病気

 

 以下に症例を提示し解説します。(内視鏡写真の右下に名前が入っているため写真の一部を加工して名前を消していますが、それ以外は一切修正しておりません。青い色素を撒布してから撮影した写真は色素撒布像と表現しています。)

大腸ポリープ

大腸ポリープ

色々な大腸ポリープ(すべて別の症例です。)

 左:有茎性ポリープ(腺腫) 中:扁平なポリープの色素撒布像(腺腫) 右:扁平なポリープの色素撒布像(過形成性ポリープ)
 写真左、写真中の腺腫に対しては内視鏡的ポリープ切除術のよい適応となります。右は過形成性ポリープという一般的には悪性化しない病変ですが、長径30mm程もある大きな病変です。


大腸癌

大腸ガン01

早期大腸癌

 左:通常内視鏡像 右:色素撒布像
 形態はポリープの形をとっています。生検(組織の一部をつまみとって調べる検査)で一旦腺腫と診断された病変ですが、内視鏡で切除した結果、腺腫の一部が癌になっていることが判明しました。この病変のように、大腸癌は腺腫から少しずつ癌に進行していくものが多くあると考えられています。一般に大きなポリープほど癌の可能性が高くなりますが、先ほど大腸ポリープで解説したように過形成ポリープはこれにはあてはまりません。
 この症例のように、大腸癌であっても早期であれば手術を行うことなく、内視鏡のみで完全な治療を行う事ができるようになっています。

大腸ガン02

進行大腸癌

 左:遠景像 右:近接像(深部への挿入を試みているところですが、入りませんでした。)
 血便と便秘を訴えて来院された進行癌の症例です。癌によって大腸が詰まってしまう寸前で、写真右のようにスコープは癌に行く手を阻まれ、これより先には挿入できませんでした。


その他の大腸、小腸の病気

 その他の下部内視鏡検査で診断される病気について、以下に症例を提示し解説します。(内視鏡写真の右下に名前が入っているため写真の一部を加工して名前を消していますが、それ以外は一切修正しておりません。)

大腸憩室

大腸憩室

 大腸の一部が外側に飛び出したようになった状態です。先天的(生まれつきのこと)なものもありますが、殆どが後天的(生まれてから発症すること)に発生します。後天的に起こる原因としては、便秘などを繰り返すことで、大腸の内圧が上昇し弱い部分が外側に飛び出すようになると考えられています。通常は自覚症状もなく、治療も必要ありませんが、憩室炎を起こし、腹痛や発熱を来たす事があり、抗菌剤での治療が必要になることがあります。また、まれに憩室が血管と交通して消化管出血を起こすことがあります。この場合には特殊な止血処置や手術が必要になる場合もあります。

潰瘍性大腸炎

潰瘍性大腸炎

 原因不明の慢性に経過する腸炎で、若年と中年に二峰性の発症のピークがあります。自覚症状として、長引く下痢や粘液便、血便、腹痛、発熱などを伴います。直腸に炎症が留まり症状も軽微なごく軽症のものから、全大腸に病変が広がり激烈な症状を呈する重症のものまで重症度の幅が多く、ステロイドや腸炎を抑える薬剤に対する反応も様々です。(重症なほど治療に対する反応も悪くなる傾向があります。)薬物治療の効果が乏しい場合には白血球除去療法などの特殊な治療法が有用なこともあります。また重症で治療に反応の悪い場合などには手術が必要になることもあります。治療によって寛解しても再燃する場合があるので、症状がよくなっても通常は少しずつ薬の量を減らし、再燃しない事を確認しながら治療を中止していく必要があります。

虚血性大腸炎

虚血性大腸炎

 高齢の方に多い病気で、特に心疾患のある場合に発症する方が多いです。腹痛(左から真ん中あたりの下腹部)に引き続いて起こる下血が特徴的な症状です。写真のように強い浮腫とうっ血がおこり粘膜面が剥離し出血を伴った炎症像を認めます。治療は、絶食によって腸管の安静を保ち、点滴、抗菌剤の投与などにより、通常は数日~10日程度で軽快します。
小腸潰瘍(回腸末端部)

小腸潰瘍(回腸末端部)

 大腸の病気ではありませんが、大腸内視鏡では小腸の一番終わりの部分=回腸末端部まで挿入、観察することが可能です。回腸末端部はしばしば病変が存在する部位で、写真の小腸潰瘍は消炎鎮痛剤の連用が原因と考えられました。