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ジェネリック医薬品について

ジェネリック医薬品

 

ジェネリック医薬品についての個人的な考え

 ジェネリック医薬品は別の言い方では、先発薬品に対する「後発薬品」や「後発品」とも言われます。

 既に知っている方のイメージはどうでしょうか。「安かろう。悪かろう。」というイメージが拭えず悪い粗安な薬という概念を持っておられる方もおられるかもしれません。医療関係者でも「ゾロ」とも呼ばれ、蔑視される傾向があることは否めません。実際のところ、以前は粗悪な薬を作るメーカーもあったようでそのイメージが前記のような悪いイメージとして残っているようですが、現在はきちんとした製剤技術を有するメーカーもあります。


 先発品は何年も(何十年も)掛かって開発を行いその後様々な試験をくぐりぬけて「新薬」として認可されてきたものです。発売後も市販後調査として臨床的な調査を行っています。何だか安全性が高いようですが実際は副作用も一定の確率で起こります。一般的に知られていませんが先発薬品は開発後7~20年の特許期間をもっており、この期間は他のメーカーは真似て同様の薬を作ったり売ったりすることはできません。ジェネリック医薬品とはこの特許期間が切れた薬を他社が同じ有効成分を配合して作った薬のことです。

 先発薬品との違いについては、同じ成分が配合されている薬でも添加剤やコーティングなどに違いがあるため、体内での吸収率に違いがあったり、体内動態が先発品と同じでない場合があること、またメーカーによる安全性などについての市販後調査がほとんど行われていないこと、などが挙げられると思います。このように、知っておいて欲しい点として、「先発薬品と全く同じ薬というわけではない。」ということです。
 一般の方はご存じでないと思いますが、保健診療では薬の値段(薬価)は全部、1円単位まで決められています。その薬価は先発品と後発品では大きな隔たりがあり、その値段は同じ成分の薬でも後発薬品は約70%~10%程度の値段になっています。先発薬品の開発費は数十~数百億円掛かると言われています。実際それに見合った薬価が設定され、特許期間の間にその開発費の何倍もの売り上げをする薬が多くあります。後発薬品とは、こうした薬の良いところを真似て開発費が掛からないように安く作られた薬というわけです。薬代が安くなるのは間違いありません。

 厚生労働省は、ジェネリック医薬品の使用を推奨するような内容の通達を出しております。厚労省の肩を持つわけではありませんが、現実問題として国民の医療費は右肩上がりの増加を続けており、国家財政の圧迫になっていることは事実です。そしてジェネリック医薬品は医療費削減の役割を果たす側面ももっているといえます。個人的な意見としても薬理作用のはっきりした薬剤については後発薬品でも悪くないと考えています。


 そこで当院でも一部の薬品についてジェネリック医薬品を採用しております。投薬に際しては、効果や結果が同じと考えられる場合は基本的にジェネリック薬品をお出ししています。特に急性疾患などで一時的に飲む薬はジェネリック医薬品で十分に事が足りる場合が多いのではないかと考えています。逆に慢性疾患で継続して薬を飲まないといけない場合、長く飲んでいただくという観点からは効果はもちろん安全性での信頼できることが重要です。前記のように安全性が高いことが明らかな薬剤ではジェネリック医薬品でも問題ないと考えますが、先発品には安全性が高くさらに効果の優れた薬が多く開発されており、その恩恵が大きいと考えられる場合には積極的に先発品を使うようにしています。


 すべてご希望に添えない場合もありますが、薬剤についてご要望があれば申し出て下さい。