大阪市城東区関目駅徒歩5分の内科・内視鏡検査 野口医院

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大腸内視鏡検査について

大腸内視鏡検査について

大腸がんの早期発見に有効な検査です

 

検査の目的

 大腸には癌やポリープなどの腫瘍が好発する部位であり、近年は増加傾向であるといわれています。また下痢は腸疾患特有の症状ですが、その原因には感染性腸炎や潰瘍性大腸炎、クローン病といった炎症性腸疾患などさまざまな病気が原因となっていることがあります。癌やポリープなどの腫瘍の早期発見、下痢などを主症状とする炎症性腸疾患の鑑別診断、またこれらの経過観察には大腸カメラが必要不可欠です。大腸カメラは直接大腸粘膜を観察し、場合によっては生検(病変組織の一部を齧りとって顕微鏡で詳しく調べる検査のこと)を行って大腸の病気の診断を目的として行います。またポリープなどはカメラで直接切除すること(ポリープ切除術、ポリペクトミーなどと呼ぶ)により治療も同時に行うことができます。


準備1(前日の前処置)

 腸管を空っぽにした状態が最も検査に適しており、そのためには前日からの準備が必要です。前日きのこ、海藻類などの繊維成分の多い食事を避け、午後7時までに夕食を済ませて下さい。但し、水、お茶、薬は飲んでも結構です。
☆ 普段便秘気味の方は前日の食事は控えめにする、消化の良いものを食べるなどされると、検査の準備がスムーズになる場合があります。なにを食べたらよいか、看護師にご相談ください。
寝る前(午後9時以降)にこちらで用意する液体の下剤を半分もしくは全部をコップ1杯の水で飲んで下さい。


準備2(当日の前処置)

 検査が終わるまで何も食べないで下さい。普段飲んでいるお薬がある場合は事前に指示いたします。朝8時にあらかじめお渡しした錠剤(ガスモチン2錠)を服用して下さい。次に朝9時からお渡しした腸管洗浄液(2000ml)を飲んで下さい。腸管洗浄液は2時間くらい時間をかけて飲んで下さい。腸管洗浄液を飲み終わるころから便意が頻回になり、便に固形物が混ざらなくなり透明な黄色調の水様便になってくれば検査が可能です。


検査の実際

  1. 痛み止めと軽い麻酔をかけるため鎮痙剤や鎮静剤、鎮痛剤を経静脈的に投与します。検査中は脈拍、酸素計などのモニターを指に付けて体に異常がないか常に監視しながら行います。
  2. 検査は左を下にした横向きで開始します。検査中、カメラがスムースに挿入できるように体の向きを変えたり、介助者が腹部を手で押さえたりする事があります。
  3. カメラは大腸の一番奥まで挿入します。挿入時は腸管が引き伸ばされるため、時々お腹に痛みを生じることがありますが、一旦深部まで挿入すれば痛みはありません。
  4. 検査の最中に病変があれば青い色素を散布することがあります。また組織検査のため生検を行う場合があります。ポリープが発見された場合、安全に切除できると判断できるものについては同時に切除(前述のポリープ切除術、ポリペクトミー→後でも解説します。)を行います。
  5. 検査中は大腸の粘膜の観察のため腸内にガスを入れる必要がありますが、当院では患者さんのお腹の張りを軽減する目的で空気の変わりに二酸化炭素をいれる装置を導入しています。二酸化炭素は空気に比べて吸収率が高いので、検査中、検査後の膨満感が軽減されます。

検査後

 ポリープ切除術(後ほど説明しています。)などの特別な処置を行った場合を除いて、検査後は通常の生活をして頂いて結構です。生検(組織の一部を齧りとって調べる検査)を行った場合には出血予防のため止血剤の投与(点滴や内服薬)を行います。

 鎮静剤や鎮痛剤を使った場合には検査後もしばらくふらつきや眠気が残ることがありますが、数十分から数時間で効果はなくなります。少し休んでからお帰り下さい。

 検査の結果は当日ご説明しますが、生検の結果が判明するのは10日くらい要します。


合併症について

 大腸は複雑な屈曲が組み合わさって一本の管腔を形成しています。大腸カメラはその屈曲をまっすぐしながら肛門から盲腸まで挿入していきます。そのために挿入時に個人差はありますが多少なりとも痛みが生じる場合があります。当院では鎮静剤、鎮痙剤などを使って検査を行うため痛みなどの苦痛をかなり軽減でき検査が行えます。
また、腸が長いなどの理由で大腸全部を観察できない場合もまれにあり、その場合は必要に応じ注腸検査を受けて頂く場合があります。

 大腸カメラの合併症として、まれに大腸穿孔(腸に穴があくこと)を起こすことが報告されています。幸い当院ではこれまで発生しておらず、発生頻度も約1万回に1回程度と決して高いわけではありませんが、このような場合は穿孔部の閉鎖するための開腹手術が必要となります。

 検査直後は異常がなく一旦帰宅されたあとでも、なんらかの異常(腹痛が持続する、血便や便に血が混じるなど)が続くことがあれば当院までご連絡下さい。


同意書について

 大腸内視鏡を受けていただく場合は、基本的に上記の目的や方法、合併症についてご理解頂き、納得された上で検査を受けていただきたいと考えております。
事前に同意書をお渡ししますので、納得された場合は当日までに署名、押印頂き検査の際に提出して頂きますようお願い致します。