当医院では痛み、苦しみがない 短期間で、安全な内視鏡検査を常に心がけております。
トップ
院長プロフィール
診療案内
予防接種・健康診断のご案内
内視鏡の案内
睡眠時無呼吸症候群

〒536-0008
大阪市城東区関目3丁目13-1
06-6931-7821
野口医院
診療科目:内科、消化器科、
小児科、外科
院長 : 医学博士 野口誉生
→新しい建物!駐車場完備!



【おことわり】

 このホームページでは、膨大な医学的内容が盛り込まれています。
 この内容は2007年後半から2008年年初にかけて院長が自ら執筆したものです。内容的に執筆当時の医学的常識に適うもので、一般の方にも役に立つ情報をお届けする事を目的に書いています。
 しかし、医学には不確実性があり、「これが絶対に正しい。」ということは少ないことも事実です。参考にされるのは大いに結構ですが、これらの点を十分にご理解頂いた上で、善意をもってご活用される事をお願い申し上げます。特に、何らかの体の異常がある場合、異常を指摘された場合には、本内容を元に自己判断だけで済まさないで、医療機関できちんと診察を受けて頂くことを重ねてお願い致します。
 なお、内容的な誤りや新たな知見が明らかになった場合、医療制度の変更等で診療内容を変更する場合には、随時訂正していきたいと考えております。

【診療時間】

診療時間 日/祝
9:00 〜 12:00
15:30 〜 16:30
16:30〜 19:30

● 予防接種、乳児健診専用枠 (金曜日15:30〜16:30)

※ 予防接種は通常診療時間にも接種可能ですが、午前中なら11:30まで、午後は7:00までの受付となります。

【所在地】

内科/消化器科/小児科 野口医院
内視鏡検査について

 当院では安全で楽に内視鏡検査を受けていただけるよう日々努めております。病院などでは、検査までに何日も待って、結果を聞くまでにも何日も待って、不安な時間を長く過ごす事になります。当院ではそのようなことがないように、結果説明などを含め、迅速に対応できるように心がけております。このページでは内視鏡検査のあらましを紹介させて頂きます。


胃X線検査と胃内視鏡検査の違い

 現在、大阪市の市民検診として行っている胃癌検診はバリウムで行う胃X線検査が行われています。しかし、現実問題として、現行の検査体制では早期がんの発見は困難と言わざるを得ない状況です。胃の癌は、早期の間は小さなビラン(粘膜内にできる浅い傷)と見分けが付きにくいものや表面にあまり凸凹を作らない平坦なものも多く、進行するに従って隆起や陥凹がはっきりしてくることが多いのです。胃X線検査でも丁寧な撮影と詳細な読影を行い、早期がんを発見することは可能ですが、胃の条件もさまざまで必ずしもきれいな写真が撮れるとは限らないのが現実です。胃X線検査は胃の粘膜にバリウムを薄く塗った状態で写真をとり、写真に写っているバリウムをみて診断を行うという、いわば影絵のようなものです。隆起があればバリウムをはじきそこはバリウムが薄くなり、凹みがあればそこにバリウムがたまり濃く写るという間接的な診断方法が行われています。胃の手術を行う場合の術前などには、胃全体に対する病変の位置関係などが分かりやすいなどの特徴があり、全く不必要な検査とまでは言い切れませんが、病変の拾い上げという点においてはアバウトな部分が多く残されているのではないでしょうか。
 対して、胃カメラは胃の中をカメラの先から出る光で照らして、直接粘膜そのものを見ることができます。しかも色までも判別することができます。早期胃がんの中には殆ど平坦で色合いが周囲の粘膜と僅かに異なっているだけのタイプがあります。このようなごく僅かな変化も内視鏡検査は捉えることができます。今のところ市民検診では胃X線検査で行っていますが、その精密検査には胃内視鏡検査が必要とされています。また最近では人間ドックなどでは最初から胃カメラで検診を行うところも増えてきています。胃内視鏡検査の特徴として、観察して明らかとなった病変部分から組織を採取して病理学的検査によって確定診断まで辿りつくことができるというのもメリットの一つです。
 X線検査と内視鏡検査のそれぞれの特徴と優劣を表にしてみると次のようなものになると考えられます。

 なお、当院では胃内視鏡検査のみ実施しています。

  胃内視鏡検査 胃X線検査
診断能力
生検(組織検査) 不可
X線被爆 なし あり
バリウム なし あり
費用 やや高い やや安い
苦痛 ※やや大?? ある程度あり

※ 当院はこのイメージを払拭したいと日々研鑽しております。

PAGETOP
胃内視鏡検査について 検査の目的

 胃をはじめ食道、十二指腸は比較的病気の多い場所です。癌などの悪性腫瘍も早期発見することで根治(完全に治ること)が期待できます。また、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃炎や逆流性食道炎も的確な診断により適切な治療が行えます。胃カメラは粘膜を直接見て、場合によっては生検(組織の一部を齧り取って顕微鏡で調べる検査のことで、確定診断のために必要となります)を行って食道、胃、十二指腸の病気を診断するための検査方法です。
 当院では2007年12月より経鼻内視鏡を開始しています。鼻から挿入する胃カメラで喉を通るときの「オエッ!」となるエヅキ感がないのが特徴です。これまでつらくて検査を受けたいけれどもしんどかったのでいやだなどと思われている方には是非お勧めします。また当院では通常の口から挿入する内視鏡検査も麻酔を使用しますので非常に楽に受けていただくことが可能です。


検査の準備

 胃の中が空っぽな状態が検査に最も適した状態です。検査の前日午後9時以降は何も食べないでください。少量の水分(うすめのお茶や水は可能ですが牛乳やジュースは不可)は当日を含めて摂ってもらってかまいません。普段のんでいるお薬がある場合は事前に指示致します。
 当日来院して頂いた後は、検査の約10分前から準備を始めます。まず胃の粘液を洗い落とす薬を飲んでもらいます。ここまでは経口でも経鼻でも同じです。

経口内視鏡の場合 … 続いて喉の奥に麻酔のゼリーを溜めてもらいます。5分くらい溜めて、喉が重くなってきたり、しびれる感じがしてきたら吐き出してください。検査の直前に軽い鎮静作用のある注射をします。(軽い麻酔作用があります。)この注射によって半分眠ったような状態で検査を受けてもらうことができ、これまで受けていただいた多くの方が非常に楽だったとの感想を持たれています。

経鼻内視鏡の場合 … 鼻の麻酔を行います。細い管に麻酔の薬を塗って鼻粘膜に麻酔を浸透させます。少し太い管に変更し鼻粘膜の局所麻酔を計10分程度行います。鼻の麻酔薬がある程度のどにも落ちて効くですが、最後にのどに局所麻酔のスプレーを追加して検査を開始します。
検査中

 検査中は脈拍と体内の酸素濃度が表示されるモニターを指に付けて体に異常がないか常に監視しながら行います。


経口内視鏡の場合 … カメラが喉を通過するときが一番苦痛に感じる事が多いと思います。麻酔が効いてさほど苦痛でない場合も多いです。喉を通過すればだんだん「慣れ」てきます。検査中はあせらず、ゆっくり鼻で呼吸するようにしましょう。

経鼻内視鏡の場合 … 鼻から挿入するため喉のエヅキは少ないですが、食道に入るときに少しオエッとなることがあります。一旦入ってしまえば検査中に会話することも可能です。 ただし鼻に病気がある(たとえば慢性副鼻腔炎や鼻茸、鼻中隔彎曲、鼻の手術の既往など)場合は鼻腔が狭くなっていることが多く、鼻からの挿入が難しい場合もあります。また、まれに病気でなくても体型的に極端に鼻腔が狭い方がおられ、それらの場合には鼻からの挿入を断念し、口から挿入する場合もあります。 いずれの検査でも検査時間は5分から長くても10分程度で終わります。検査の最中に異常が見つかれば、病変の凸凹を明瞭にするため色素を散布することがあります。色素を使用した場合に、あとで尿や便が青っぽく着色することがありますが一過性で心配ありません。また生検(組織の一部を齧り取って病理組織検査を行うもので、診断を確定させるために必要な検査です。)を行うことがあります。生検の後で出血をすることがまれにあるため、検査の後で予防的に止血剤の点滴や内服薬を投与することがあります。
検査後

 経口内視鏡で鎮静剤を使った場合は眠気やふらつきが残ることがあるため十分休んでからお帰りください。特に自動車や自転車の運転は十分注意して下さい。(麻酔を希望される場合は自分で運転する乗り物では来院されないようにしてください。)経鼻内視鏡の場合、少し鼻出血することがありますが、少し安静にしているだけで止まることが殆どです。生検をした場合やふらつき等が強く残っている場合には必要により点滴等の処置も行いますので落ち着くまでお休み下さい。
 検査の結果は当日ご説明しますが、生検を行った場合、病理組織の結果が出るまでおよそ10日程要します。
 検査が終わって30〜60分程度たってから一度うがいをして、喉の違和感が残っていないか確認してください。大丈夫なようであれば食事を摂って頂いてかまいません。


感染症について

 内視鏡検査を受けられる方には検査前に感染症の検査を受けていただき検査室での感染症拡大を予防しております。また当院では内視鏡の消毒には日本消化器内視鏡学会が推奨する消毒方法で入念に消毒していますので安心して検査をお受けください。


内視鏡で見た食道の病気

【 逆流性食道炎 】
 本来逆流しない胃液が食道に逆流することによって、食道下部を中心に炎症が起こります。原因は胃と食道のつなぎめが緩んでいること(すなわち食道裂孔ヘルニア)が多く、さらにその原因としては、加齢のほか、腹圧の上昇(肥満やコルセットの使用なども一因となります。)、胸腰椎の変形(背骨が曲がっていること)などが指摘されています。他の原因としては消化管の通過障害(腸閉塞=食べ物が先に流れないので食道にも逆流します。潰瘍を繰り返したことによって胃や十二指腸が変形し、食べ物が通りにくくなることがある。胃癌が原因になる場合もあります。)が関係している場合があります。
 自覚症状としては胸やけ、ゲップ、すっぱいものが上がってくる、などが典型例とされていますが、まれに喉の違和感や痛み、慢性的な咳がこの疾患によって起こっている場合もあります。殆どの場合において内服の薬で治療することでよくなり症状をコントロールすることが可能となります。まれに症状が高度な場合や内服でコントロールできない場合には内視鏡を用いた手術が有効な事があり、平成19年8月からは保健適応となっています。

【 食道癌 】
 中高年に多く、男女比は9:1と圧倒的に男性に多い疾患です。未だに治療成績の芳しくない癌の一つで早期発見がなにより重要です。非常に早期に発見された場合に限定されますが、近年では内視鏡手術で治療することも可能になってきました。(口から飲む内視鏡で病変を剥ぎ取る手術ができるようになっています。食道を切除する従来の手術ではありません!)

内視鏡の写真はこちら
PAGETOP
内視鏡で見た胃、十二指腸の病気

【 慢性胃炎 】
 慢性胃炎は胃粘膜の萎縮を伴ってくることが多く、慢性萎縮性胃炎とも呼ばれます。ピロリ菌の感染が持続することで起こってくる事が最近の研究でわかってきました。慢性胃炎は症状を伴うことは稀ですが、胃がんの発生原因であり、慢性胃炎と診断された方は定期的に胃の検診を受けるようにしましょう。

【 胃ポリープ 】
  ポリープとは粘膜が盛り上がっている状態を指した総称です。粘膜が盛り上がる原因は何でもよく、炎症が関係しているもの(胃では殆どない)や過形成(単に正常細胞の増殖しているだけの状態)のものもあり、腫瘍(良性のことも、悪性=癌のこともあります。)によるものもありますが、これらを区別している用語ではありません。検診などでポリープを指摘されて非常に心配されて来院される方がおられますが、殆どの胃のポリープは癌である可能性は低いので必要以上に心配することはありません。しかし癌や腺腫(癌の前段階の病変)もポリープの形態をとるものがあるので、一度は精密検査として内視鏡検査を受けておいた方がよいでしょう。

【 胃癌 】
 他のところでも述べてきましたが、現代医学における胃癌診断の主役は内視鏡検査であるといっても差し障りないところです。

【 胃、十二指腸潰瘍 】
 潰瘍とは組織が損傷し深く掘れている状態のことを指します。掘れる深さが粘膜のみに留まるものはビランとして潰瘍とは区別しています。胃、十二指腸潰瘍は総称して消化性潰瘍と呼ばれることもあります。以前は、ストレスなどにより発症すると考えられていましたが、大部分はヘリコバクター・ピロリ菌(ピロリ菌)という細菌が胃に感染することで消化性潰瘍が起こることがわかってきました。この他、痛み止めなどに用いられる消炎鎮痛剤が原因で消化性潰瘍を来たす事が広く知られています。

内視鏡の写真はこちら
PAGETOP
大腸検査について 検査の目的

 大腸には癌やポリープなどの腫瘍が好発する部位であり、近年は増加傾向であるといわれています。また下痢は腸疾患特有の症状ですが、その原因には感染性腸炎や潰瘍性大腸炎、クローン病といった炎症性腸疾患などさまざまな病気が原因となっていることがあります。癌やポリープなどの腫瘍の早期発見、下痢などを主症状とする炎症性腸疾患の鑑別診断、またこれらの経過観察には大腸カメラが必要不可欠です。大腸カメラは直接大腸粘膜を観察し、場合によっては生検(病変組織の一部を齧りとって顕微鏡で詳しく調べる検査のこと)を行って大腸の病気の診断を目的として行います。またポリープなどはカメラで直接切除すること(ポリープ切除術、ポリペクトミーなどと呼ぶ)により治療も同時に行うことができます。


準備1(前日の前処置)

 腸管を空っぽにした状態が最も検査に適しており、そのためには前日からの準備が必要です。前日はきのこ、海藻類などの繊維成分の多い食事を避け、午後7時までに夕食を済ませて下さい。但し、水、お茶、薬は飲んでも結構です。寝る前(午後9時以降)にこちらで用意する液体の下剤を半分もしくは全部をコップ1杯の水で飲んで下さい。


準備2(当日の前処置)

 検査が終わるまで何も食べないで下さい。普段飲んでいるお薬がある場合は事前に指示いたします。朝8時にあらかじめお渡しした錠剤(ガスモチン2錠)を服用して下さい。次に朝9時からお渡しした腸管洗浄液(2000ml)を飲んで下さい。腸管洗浄液は2時間くらい時間をかけて飲んで下さい。腸管洗浄液を飲み終わるころから便意が頻回になり、便に固形物が混ざらなくなり透明な黄色調の水様便になってくれば検査が可能です。


検査の実際
  1. 痛み止めと軽い麻酔をかけるため鎮痙剤や鎮静剤、鎮痛剤を経静脈的に投与します。検査中は脈拍、酸素計などのモニターを指に付けて体に異常がないか常に監視しながら行います。
  2. 検査は左を下にした横向きで開始します。検査中、カメラがスムースに挿入できるように体の向きを変えたり、介助者が腹部を手で押さえたりする事があります。
  3. カメラは大腸の一番奥まで挿入します。挿入時は腸管が引き伸ばされるため、時々お腹に痛みを生じることがありますが、一旦深部まで挿入すれば痛みはありません。
  4. 検査の最中に病変があれば青い色素を散布することがあります。また組織検査のため生検を行う場合があります。ポリープが発見された場合、安全に切除できると判断できるものについては同時に切除(前述のポリープ切除術、ポリペクトミー→後でも解説します。)を行います。
検査後

 ポリープ切除術(後ほど説明しています。)などの特別な処置を行った場合を除いて検査後は通常の生活をして頂いて結構です。生検(組織の一部を齧りとって調べる検査)を行った場合には出血予防のため止血剤の投与(点滴や内服薬)を行います。
 鎮静剤や鎮痛剤を使った場合には検査後もしばらくふらつきや眠気が残ることがありますが、数十分から数時間で効果はなくなります。少し休んでからお帰り下さい。
 検査の結果は当日ご説明しますが、生検の結果が判明するのは10日くらい要します。


 大腸は複雑な屈曲が組み合合併症についてわさって一本の管腔を形成しています。大腸カメラはその屈曲をまっすぐしながら肛門から盲腸まで挿入していきます。そのために挿入時に個人差はありますが多少なりとも痛みが生じる場合があります。当院では鎮静剤、鎮痙剤などを使って検査を行うため痛みなどの苦痛をかなり軽減でき検査が行えます。また、腸が長いなどの理由で大腸全部を観察できない場合もまれにあり、その場合は必要に応じ注腸検査を受けて頂く場合があります。
 大腸カメラの合併症として、まれに大腸穿孔(腸に穴があくこと)を起こすことが報告されています。幸い当院ではこれまで発生しておらず、発生頻度も約1万回に1回程度と決して高いわけではありませんが、このような場合は穿孔部の閉鎖するための開腹手術が必要となります。
 検査直後は異常がなく一旦帰宅されたあとでも、なんらかの異常(腹痛が持続する、血便や便に血が混じるなど)が続くことがあれば当院までご連絡下さい。


同意書について

 大腸内視鏡を受けていただく場合は、基本的に上記の目的や方法、合併症についてご理解頂き、納得された上で検査を受けていただきたいと考えております。事前に同意書をお渡ししますので、納得された場合は当日までに署名、押印頂き検査の際に提出して頂きますようお願い致します。

PAGETOP
大腸ポリープ切除術(大腸ポリペクトミー)について

 近年、大腸ポリープは増加傾向となっています。ポリープとは粘膜から発生した隆起した病変の総称で良性のものもありますが、前癌病変(将来悪性になるもの)や既に悪性になっているものまでさまざまです。大腸の場合ポリープから癌になるケースが多いのですが、内視鏡を利用した切除を行うことで完全な治療が行えます。最近は大腸内視鏡検査に際してポリープが発見された場合には同時に切除するのが一般的な治療法になっており、当院でも治療まで行う事が可能です。ポリープでもあまり小さなものは切除の対象になりませんので生検で診断のみ行うこととしてその後経過観察をおこなうようにしています。また、あまりに大きな病変の場合はいきなり切除すると様々な問題を生じることもありますので後日改めて専門の施設で精密な検査を行ったのち治療方針を立てるよう致します。
 一回の検査で同時に治療も行えるメリットがあるため検査でポリープが発見された場合に同時にポリープ切除を希望される場合には当院で用意している同意書にご署名を頂き検査の際に提出して下さい。(事前にポリープがあるかないか分からなくても提出していただいて結構です。ポリープがあった場合にのみ処置を行います。)大腸検査の性質上、何度も前処置を行って無駄な手間と体の負担をかけるより一回で切除まで行うほうが有効に手間とヒマが費やされずに済み、まさに一石二鳥と考えています。
 ポリープを切除した場合には術後の経過を見る意味で当日は近隣の施設に入院していただく場合があります。自宅にお帰りいただく場合でも少なくとも当日とその次の日までは安静や食事制限が必要となりますので仕事などはできないとお考え下さい。また、その後も1週間程度は飲酒や激しいスポーツ等はお控え下さい。


切除の概要
  1. ポリープの下に生理食塩水を注入しポリープを浮かせた状態にします。
  2. スネアという輪をポリープにかけます。
  3. スネアの輪を縮めてポリープを締め付け、この状態でスネアに電気を流してポリープを切除します。
  4. ポリープを回収します。
  5. 切除面に出血などの異常があれば処置を行います。

なお、切除に際しては痛みを伴うことは殆んどありません。


内視鏡の写真はこちら
PAGETOP
合併症について

 ポリープ切除を行うことによりまれに穿孔(腸に穴があくこと)や切除した部位の出血を起こすことがあります。穿孔した場合には開腹手術を行い穿孔した部位を閉鎖する必要あります。出血に対しては内視鏡を使って止血処置を行うことができますが、出血量が多い場合には輸血や手術が必要になる場合があります。いずれの場合も早急かつ適切な処置により回復が可能でありますが、早急に入院が必要となってきます。ただし頻度は決して多いものではなく、これら偶発症の頻度は0.1%程度と報告されています。


治療後の注意事項

 少量の出血(便に血が混ざる)や軽い腹痛がしばらく続くことがありますがせいぜい数時間でおさまります。もしこのような症状が治まらない場合は連絡ください。
 切除した部位は傷になりますが、少しずつ回復してきます。傷が治るまでは激しい運動やストレス、飲酒などによって回復に支障をきたすことがありますので切除してから1週間位はなるべく安静にし飲酒は控えて下さい。食事は脂っこいものや消化に悪いものは控えて下さい。
 念のため、何の症状がない場合でも、治療を行った場合はその翌日に診察に来院して下さい。


内視鏡で見た大腸の病気

【 大腸ポリープ 】
 大腸の癌は大腸ポリープ、中でも腺腫という病変からから長い時間をかけて発生する事が多く、この段階で治療(内視鏡的ポリープ切除術)を行っておくことで、将来癌になる事を防ぐことができます。ポリープや早期の癌は便潜血が陽性にならない事も多くありますので、内視鏡検査をして初めてわかることも珍しくありません。また既に大腸ポリープや大腸癌に罹られた方は他の部位にもポリープができやすいことがわかっていますので、定期的(1年ごとが理想です)に検査をうけるようにした方がよいでしょう。

【大腸癌 】
 大腸癌は男女とも癌による死亡原因の上位となっており、特に女性では増加しています。(乳がん、子宮がんに関心が集まっているようですが・・・。)便潜血による検診で発見されない癌もありますので定期的に内視鏡検査を受けるのが有効な防衛策と考えられます。また、逆に便潜血で異常を指摘された場合、何もないことや、痔によることもありますが、なんらかの病気が発見されることも高率であり、精密検査として大腸内視鏡検査をうけるようにした方がよいでしょう。

【 その他の大腸、小腸の病気 】

内視鏡の写真はこちら
PAGETOP
内視鏡検査の予約について

 検査希望日の前に、できるだけ受診して頂き、予め問診、診察、血液検査をお受け下さい。このときの診察結果で内視鏡の検査前でも病状の悪化を予防できる場合もあるためお薬をお渡しし治療を始めるケースもあります。急な発病で事前に来院できない場合はとりあえず診察に来ていただき、早急に内視鏡検査が必要と判断されるケースについては当日でも検査を行います。


内視鏡検査の費用について

3割負担の場合

胃内視鏡検査 … 4,000〜5,000円程度
(使用する薬剤などにより費用に若干の違いが生じます。)
大腸内視鏡検査 … 6,000〜7,000円程度
(挿入部位、使用する薬剤などで費用に若干の違いが生じます。)
※胃カメラでピロリ菌検査を行った場合は2,000円程度別に費用がかかります。
 病理組織検査を行った場合は一臓器につき4,000円程度別に費用が必要となります。


大腸ポリープ切除術 … 20,000〜30,000円
(検査費用、切除したポリープの病理組織検査の費用などすべて込みの費用です。切除したポリープの数によって費用に差が生じます。)


2割負担・1割負担の場合
 2割負担の場合は上記の3分の2、1割負担の場合は上記の3分の1程度とお考え下さい。

PAGETOP
ヘリコバクター・ピロリ菌と除菌について

1.ヘリコバクター・ピロリ菌とは?

ヒトの胃の粘膜に生息し、主に胃の病気を引き起こす細菌です。
胃の中は胃酸という強酸の環境のため菌が住めないというかつての学説が長い間信じられてきました。しかし1983年にオーストラリアのウォーレンとマーシャルによって胃の中の螺旋菌の存在が確認されました。この菌は後にヘリコバクター・ピロリ菌(ピロリ菌)と呼ばれるようになり、胃潰瘍、十二指腸潰瘍の原因となるほか様々な病気の原因となってくることがわかってきました。感染経路は免疫機能の未発達な乳児期までに経口感染すると考えられていますが完全に証明されたものはありません。離乳食など開始する時期の母子感染が主な感染経路と考えられていますが、父子感染、保育園などでの感染なども一部でおこっていると推測されています。一度感染が成立すると一定数が胃の中で生息し手術で胃全摘や除菌療法をしない限り一生をともに過ごすことになります。

2.ピロリ菌と胃炎

ピロリ菌が侵入すると初期に急性胃粘膜病変などの胃粘膜障害を起こす可能性がありますが、成人では菌が入っても胃に定着しないケースも多いと言われています。感染が成立するのは免疫の未発達な乳幼児期と考えられておりその後胃に定着し感染が成立するようになります。感染が起こった初期には数年〜十年以上にかけて表層性胃炎と言われる胃粘膜に軽度の胃炎を引き起こします。引き続いて慢性萎縮性胃炎といわれる胃炎が数十年にわたって続きます。萎縮性胃炎とは、文字通り胃の粘膜が薄くなっていくもので胃の肛門側の幽門部から口側の噴門部に向かって萎縮が長い期間に渡って進行していきます。さらに萎縮した部位には腸上皮化生と言われる変化が出現します。このような変化は進行度合に個人差があるもののピロリ菌感染のあるヒトではすべてのヒトで起こってくる変化です。

【胃の解剖】
1:食道 2:ヒス角 3:噴門 4:胃角 5:幽門 6:十二指腸 A:胃底部 B:胃体部 C:前庭部 X:小彎 Y:大彎
ピロリ菌に感染後に起こる慢性萎縮性胃炎による胃の萎縮は、C(幽門)→B(胃体部)→A(胃底部)の順に進行していきます。

3.胃炎とは?

ピロリ菌に感染するとすべてのヒトが慢性萎縮性胃炎になることがわかりましたが、胃炎になるとどうなるのでしょうか?答えは、基本的に症状はありません。これは粘膜には痛みを感知する神経が通っていないためで、他の病気でも粘膜にとどまる病気では痛みなどの自覚症状を感じることはありません。しかし粘膜が徐々に減ることによって胃粘液や胃酸の産生が減って食欲や実際に食べる量が減ってきたりする場合もあります。このことは、飽食の現代において生活習慣病などカロリー過剰が原因で起こる疾患が多い現代ではもしかして有利に働く側面があるかもしれません。確たる証明はできていませんが、欧米人は日本人より心筋梗塞などの生活習慣病に由来する死亡率が高く平均寿命も日本人より低いのはピロリ感染率(日本人で高く、欧米人で低い)が関係している可能性もかんがえられます。
ある程度炎症の進んでしまった高齢の方は除菌しても胃癌のリスクは低下しませんが、炎症の軽い若年者では除菌による胃癌発症のリスクを低下させるメリットは大きいと考えられます。
胃炎の多くはピロリ菌によるものですが、それ以外にも自己免疫機序によるものや特殊な感染症で起こるものなどが知られていますが頻度はずっと低いと考えられます。

上の内視鏡写真は別人の胃の同じ部位を写したものです。(経口カメラでの画像で。)左の20歳代女性はピロリ陰性で胃炎はなく、右の60歳代女性はピロリ陽性の慢性萎縮性胃炎です。胃炎のない方の胃はヒダもピンのとして粘膜自体がツルンしていますが、胃炎の方は粘膜自体にハリがなく、表面もザラザラした感じになっているのがお分かりいただけるのではないでしょうか。昔は加齢のせいだと教えられたものですが実はピロリ菌感染が胃炎の実態だったわけです。

この2枚の写真はいずれも別人の70歳前後の方のもので、胃炎のある方と胃炎がない方です。(経鼻カメラでの画像です。)カメラが違うので色合いなど上の写真とは若干違いますが胃炎のあるなしの違いはお分かりいただけるかと思います。年齢の違いではなくピロリ菌の感染が胃炎のあるなしを分けています。(左が胃炎あり、右が胃炎なし)

4.ピロリ菌と消化性潰瘍

消化性潰瘍とは胃潰瘍、十二指腸潰瘍のことで、多くがピロリ菌感染と関連しています。潰瘍発症はストレスなどが誘因となりますが、ピロリ菌感染のない人には消化性潰瘍の発生が殆どないこともわかっています。(痛み止めなどによるいわゆるNSAID潰瘍はこの限りではありません。)また、ピロリ菌に感染した人は潰瘍を繰り返して発症することが少なからずありましたが、ピロリ菌を除菌すると潰瘍が再発しなくなることも判明しました。このことを踏まえ消化性潰瘍に対するピロリ菌の除菌が平成14年より保険適応となりました。

5.ピロリ菌と胃癌

ピロリ菌に感染すると胃炎が起こってくることはすでに述べましたが、慢性萎縮性胃炎が進行し腸上皮化生が発生するような状態では発がんのリスクとなることも判明しています。固形がんは慢性炎症を背景に発生することがわかっています。胃以外でもたとえば慢性胆のう炎(胆石など)→胆のう癌、慢性膵炎→膵癌、潰瘍性大腸炎(原因不明の慢性の腸炎)→大腸癌、慢性気管支炎(喫煙が原因の呼吸器の慢性炎症)→肺癌などの関連が知られています。
胃の場合でも慢性萎縮性胃炎が進んで腸上皮化生が発生するような状態は高分化型腺癌の高リスクとして知られています。
統計学的な解析から求めるとピロリ菌感染のあるヒトが潰瘍になるリスクは年間2%、胃癌になるリスクは年間0.5%程度と推測されます。潰瘍はなる人は何回も繰り返してなることも多く、実際の頻度はもう少し少ないかもしれません。
日本人は元々感染率の高い民族で高齢者では感染率が高く、若年者では感染率が下がっています。背景には環境衛生の変化などが考えられています。子育てをする世代での感染率が下がっている現状では母子感染を主な感染経路とすると今後はさらに自然感染する率は低下するものと推測されます。日本人の胃癌発生の高さはピロリ感染の高さと関連しており、今後は除菌する人も増えると予想され、胃がんの発生は低下していくものと推測されます。

6.ピロリ菌に起因する疾患

慢性萎縮性胃炎、消化性潰瘍、胃癌などがピロリ菌によっておこることを述べてきましたが、他に知られたところでは胃MALTリンパ腫、ある種の胃ポリープ、胃の病気以外では特発性血小板減少性紫斑病という血小板が減る病気がピロリ菌との関連が示唆され、平成22年に胃の病気以外ではこの疾患だけが除菌療法の保険適応となりました。(特発性血小板減少性紫斑病は難病指定されている原因不明の難病の一つです。)

7.ピロリ菌と除菌適応の変遷

平成14年:消化性潰瘍に対するピロリ菌除菌が保険適応となる。
平成22年:以下の3疾患が保険適応となる。
 ・胃MALTリンパ腫
 ・胃癌の内視鏡治療後
 ・特発性血小板減少性紫斑病
平成25年2月:慢性胃炎→内視鏡で慢性胃炎であることが確認されなおかつピロリ菌感染が証明された場合に保険が適応されることとなった。

8.除菌の功罪

保険適応の変遷でもふれていますが除菌の適応自体が歴史もあさく、今後どうなるかもわかっていないことが多いことも事実です。慢性胃炎での除菌が保険適応されたということの意義は、殆どのピロリ菌感染が保険での除菌適応となったということと同義だと思います。
しかし、我々のご先祖様がそうであったように日本の風土ではかつては殆どの人がピロリ菌感染と共存してきた歴史と考えられ(東洋ではどこの地域でも似たようなものだと思われます。)高い感染率のなかで世界の中でも驚異的な平均寿命を達成している日本人にとってピロリ菌がどこまで悪影響を及ぼしているかは個別のリスクで判断すべきだと考えます。除菌によって生活習慣病の増加なども明らかになっており、飽食の現代では欧米型の疾患の増加(心筋梗塞などの心血管病変)も懸念されるところです。

【除菌によるメリット】

  • 胃炎の進展が抑制される。
  • ピロリ菌関連疾患が減少する。特に消化性潰瘍などで煩わされることが無くなる。
  • 胃癌の発生リスクが低下する。(胃炎の少ない若年で除菌するほどリスクは低下する。逆に胃炎が進んだ高齢者では胃癌リスクは低下せず恩恵が少ない。)

【除菌による考えられるデメリット】

  • 生活習慣病が増える。実際、除菌後に中性脂肪値の増加などのデータもある。除菌することで胃炎の進展が抑制され胃粘膜も少しずつ回復するため食欲が亢進するというメカニズムが考えられる。胃癌の発生は高齢になるほど増えるが、心筋梗塞などは胃癌の好発年齢よりも若干早く発症することも多く(心筋梗塞も高齢ほどリスクが増加しますが、)早死にする人が増える懸念もあります。
  • 逆流性食道炎が増える。これも胃酸分泌能が回復するためと考えられている。

これらのことを踏まえると生活習慣病のリスクを勘案しつつ、できるだけ早期(若年)に除菌することが胃の疾患を抑制することにつながるという結論が導き出されます。

9.ピロリ菌感染の診断方法

内視鏡を用いて胃粘膜を直接調べる方法、便に排泄される抗原を調べる方法、血液などの抗体(菌が入った形跡を調べる方法)などがあります。はっきりしていればどれか一つでも判別できますが、はっきりしない場合はいくつかの検査によって総合的に判断します。ピロリ菌がいるかいないかを調べるだけであれば内視鏡までしなくても液検査や糞便検検査で調べることができます。

10.除菌の方法

ピロリ菌の除菌は保険で行う場合一次除菌と二次除菌に分かれます。いずれもPPIと呼ばれる制酸剤と2種類の抗菌剤を組み合わせて1週間続けて内服する方法です。

写真はCAM(クラリスロマイシン)1日量を800mgとした場合の1回分の内服薬です。
これを朝晩1週間続けて内服するのが一次除菌です。これらがセットになったキットも販売されています。(武田薬品のランサップなど)実際のところはクラリスロマイシンの耐性が進んでおり除菌の成功率は約70%程度になっています。

MNZはメトロニダゾールという薬で婦人科の感染症などで使用頻度の多い薬です。耐性化が少なく、かなりの確率で除菌できる方法です。

PAGETOP